
店舗やオフィスのエアコンが故障したとき、経営者様が一番悩むのが**「修理して使い続けるべきか、思い切って新品に交換すべきか」**という点ではないでしょうか。
「今回の修理代が5万円なら修理しよう」
「でも、来年も壊れたらどうしよう……」
その判断、実は「修理代の見積もり額」だけで決めてしまうのは危険です。なぜなら、古いエアコンは**「電気代」という見えない固定費を毎月浪費している**からです。
この記事では、空調設備のプロが、修理と交換の「損益分岐点」をシミュレーション。目先の出費だけでなく、5年スパンで見たときに「会社にお金が残る選択」はどちらなのかを徹底解説します。
まずは確認!「修理」で済ませても良いケースとは?
すべての故障で交換が必要なわけではありません。設置年数が浅く、軽微な故障であれば修理が推奨されます。
設置から「7年未満」である
業務用エアコンの設計上の標準使用期間は約10年です。設置から7年以内であれば、まだ心臓部(コンプレッサー)の体力も残っており、修理してもその後数年は問題なく動く可能性が高いです。
修理費用が「購入価格の20%以下」である
例えば、定価ではなく「当時の導入費用(工事費込)」が50万円だったとして、修理見積もりが10万円以下であれば、修理する価値があります。センサーの不具合や、ファンモーターの交換程度であれば、修理対応がコスパが良いでしょう。
迷わず「新品交換」すべき3つの条件(損益分岐点)
一方で、以下の条件に当てはまる場合は、修理にお金をかけると「安物買いの銭失い」になる確率が非常に高いです。
設置から「10年以上」経過している(部品がない!)
これが最大の壁です。各メーカーの補修用性能部品の保有期間は、製造打ち切りから約9年です。
10年を超えた機種は、今回たまたま部品があって直せたとしても、来月別の部品が壊れたときに「もう部品がありません」と言われるリスクがあります。これでは修理代が無駄になってしまいます。
修理見積もりが「新品価格の50%」を超えた
コンプレッサー交換や熱交換器の交換など、重修理になると見積もりが20万〜30万円になることがあります。
今の相場では、もう少し足せば新品が買えてしまうケースも多々あります。「あと少し出せば新品(保証付き)になる」のであれば、資産価値の残る新品への投資が正解です。
冷媒ガス(R22)を使用している古い機種
2000年前後に主流だった冷媒ガス「R22」を使ったエアコンは、現在生産されておらず、ガスの補充費用も高騰しています。このタイプのエアコンを使い続けることは、メンテナンスコストの観点から論外と言えます。
【シミュレーション】修理 vs 交換、5年間でいくら差が出る?
ここが本記事のハイライトです。「修理代が安いから」と古い機種を使い続けたA社と、「初期費用は高いが新品にした」B社。5年後の総支払額を比較します。
【条件:4馬力 天井カセット形(店舗用)】
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現状の機種: 13年前のインバーター機
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新しい機種: 2025年最新省エネモデル
| 項目 | A社(修理して継続) | B社(新品へ交換) |
| 初期費用 | 修理代:150,000円 | 工事費込:400,000円 |
| 電気代(年額) | 約140,000円 | 約65,000円 |
| 5年間の電気代 | 700,000円 | 325,000円 |
| 5年間の合計支出 | 850,000円 | 725,000円 |
| 結果 | 125,000円の損 | 125,000円の得 |
※稼働時間や環境により異なりますが、一般的な試算です。
結論:3年〜4年で元が取れる
上記の通り、初期費用はB社(交換)の方が高いですが、電気代の削減効果により、約3年半でコストが逆転します。
さらにA社には「また故障するかもしれない」というリスクが残りますが、B社には「メーカー保証」と「快適な空調」が手に入ります。
経営判断としてどちらが正解かは、火を見るよりも明らかです。
さらに「国の補助金」を使えば、交換コストはもっと下がる
上記のシミュレーションは定価ベースですが、ここに**「補助金」や「税制優遇」**を組み合わせると、交換のメリットはさらに大きくなります。
活用できる主な制度
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省エネ補助金(国): 設備費の1/3〜1/2が補助される可能性があります。
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中小企業経営強化税制: 新品エアコンを経費として「即時償却(一括計上)」できるため、法人税の節税になります。
これらを活用すれば、実質的な投資回収期間は2年以内になることも珍しくありません。
業者に「交換提案」を依頼するときのポイント
「修理か交換か迷っている」と業者に相談する際は、以下の伝え方をするとスムーズです。
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「今のエアコンの型番」を写真を撮って送る
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これで年式と能力がわかります。
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「もし交換した場合、電気代はどれくらい安くなるか試算してほしい」と頼む
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優良な業者なら、メーカーの試算ソフトを使って具体的な削減額を出してくれます。
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「修理見積もり」と「交換見積もり」の両方を出してもらう
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両方を横並びにすることで、社内稟議も通りやすくなります。
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まとめ:その修理代、新しいエアコンの頭金にした方が得かもしれません
「まだ動くからもったいない」
そのお気持ちは痛いほど分かります。しかし、業務用エアコンにおいて「13年目の修理」は、延命措置にしかならないことがほとんどです。
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10年超えなら迷わず見積もりを。
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電気代削減で、交換費用は数年で回収できる。
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補助金を使えば、さらに負担は減る。
もし現在、エアコンの調子が悪くてお悩みであれば、修理にお金を払ってしまう前に、一度「交換のシミュレーション」をしてみませんか?
最新のエアコンは、驚くほど効きが良く、そして驚くほど電気代が安くなっています。
まずは、地元の信頼できる空調専門業者に「診断」を依頼することから始めましょう。












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